低身長の治療を語る by 風本真吾(四谷メディカルサロン院長)

低身長の治療を語る 風本真吾(四谷メディカルサロン院長)

低身長は誰の責任?

低身長の治療を語る by 風本真吾(四谷メディカルサロン院長)

身長を悩みにしている子供がいますが、実は、親のほうが悩みにしていることのほうが多いのが事実です。

わが子の背が低いのは親である自分のせいではないだろうか」という悩みです。親の背が低い場合は、特に「自分の遺伝ではなかろうか」と親が気に病んでいる場合がしばしばです。

確かに、思春期早発や思春期の伸びが特に悪いケースなどで、遺伝の影響が大きく関与していそうなケースはあります。しかし、対処方法がなかったわけではありません。幼い頃から注意深く見ていると途中に対処方法があったと思えるケースが大半です。

つまり、低身長に関しては「遺伝の責任」というよりは、「親の勉強不足」が原因であることが多いのです。「子供の背が伸びていくプロセス」をきっちりと話すことができるご両親はめったにいません。せめて、「思春期が始まるのは、男の子は11.5歳から、女の子は10.0歳から」ということや、「思春期が始まれば、最終身長までのその後の伸びは、男の子25cm、女の子22cm」ということぐらいは知っていてほしいものです。また、学童期の伸びは毎年5~6cmである、などは最低限知っていてほしい知識です。

なぜ、両親の勉強不足が起こるのでしょうか?これは行政に責任があります。子供の発育プロセスを両親に学んでもらう機会を作ろうとしていません。子供の身長の問題をとりあげることは差別につながるかもしれない、という思いが潜んでいるから手を打てないのです。また、医師側が「身長は個性の問題」という無責任な対応をしてきたことも一因になっています。

私の診療現場で見る限り、どのご両親も子供を育てるのに一生懸命になっています。手抜きをしてきた人なんて一人もいません。「親のせいである」などというケースは皆無です。

低身長は誰のせい?

「低身長は誰のせい?」と尋ねられたとき、私の答えは、「しいて言うなら健康教育の一つとして背の伸びのプロセスを学ぶ機会を与えなかった行政の責任である」というようになるのです。ただし、「学んで知っていたのに、放置した」という場合は親の責任、学んで知っていたので、小児科に連れて行って相談したのに担当医が解決策を与えてくれなかった」という場合は、医師側に多少の責任があることになるかもしれません。

低身長の最大の原因は幼少時低栄養

体内に病気が潜んでいて低身長になるケースがあります。成長ホルモンの分泌不全やターナー症候群などです。

この場合は、通常の保険治療で治療を受けることができます。どんな小児科医でも標準的な治療は実施できますので、私の出番ではありません。調べても病的なものが潜んでおらず、「背が低いのは、体質の問題でしょう」あるいは、「個性の問題ですから」と言われた人に、私が治療を担当していくことになります。

病気が潜んでいない場合で、低身長になる原因で最も多いのは、幼少時の低栄養です。4歳までの食べる量が少なかったために、平均より数cm以上低くなっているケースです。

通常は4歳0ヶ月で、ぴったり100cmになります。これより7cm低ければ、最終身長に達するまで、ずっと7cm低いまま、というのが普通です。4歳0ヶ月で105cmあれば、最終身長も平均より5cm高くなるのが普通です。

4歳0ヶ月における身長の高い、低いは、それまで食べた総量で決まります。たくさん食べる子は大きくなり、あまり食べない子は大きくなりません。

母親は子供にたくさん食べさせるために一生懸命になっています。それに対して、子供のほうは自己の食欲の範囲でしか食べようとしません。無理やり食べさせるのも至難です。ここに低身長の大きな原因が潜んでいるのです。

学童期に、伸び率を高めるには

4歳から思春期が始まる(男の子11歳6ヶ月、女の子10歳0ヶ月)までの5~8年は毎年5~6cmずつ伸びるのが普通です。よく食べる子は6~7cm伸びますが、あまり食べない子は4~5cmしか伸びません。ご両親は、毎年の伸びをよくチェックしてください。

1年の伸びが4cm以下であったときは、すかさず小児科に連れて行って、低身長になる病的な問題が起こっていないかどうかをチェックしてください。成長ホルモンの分泌不全などが潜んでいることがしばしばです。

この時期は病気がなくても伸び率が悪くなることがあります。「学校でイジメにあっている」「担任の先生と相性が悪い」「大好きな祖母が死んでしまったショックで」「両親の不仲を気に病んで」などが原因になっていることがしばしばです。

この時期の伸び率を高めるには、たくさん食べることが重要です。学童期の伸び率は食べる量に比例すると言っても過言ではありません。たくさん食べられない場合は、サプリメントなどで効率的な栄養摂取を考えるのも一つの方法です。

また、医療現場では食欲を高めて食べる量を増やしてあげる治療方法が存在します。この治療などは単純に背の伸び率を高めてあげることが可能です。

この学童期には、外から成長ホルモンを投与してもあまり効果はありません。内分泌不全性低身長などの病気の場合以外では、成長ホルモン投与が奏効するのは少ないケースだと思ってください。

思春期が早く始まった場合

よく勉強しているお母さんは、8~9歳ぐらいの娘を連れてきて、「娘の思春期が早く始まっているみたいです」と相談してくることがあります。

一般に、思春期が1年早く始まれば、5cmの身長ロスが生まれます。2年早く始まれば10cmの身長ロスです。 この場合の対処方法は、両親の信条により異なります。思春期の開始を遅らせるという治療もありますが、この治療は性器発育を遅らせるということも意味しています。もともと健康管理指導を大テーマとしている私としては、すすめにくい治療方法です。別の方法で対処することにしています。

よく伸びる時期の2年間

思春期が始まれば、その後の2年間はよく伸びます。男の子なら毎年8~10cm、女の子なら毎年7~9cmの伸びです。この2年間にわが子を連れてくる両親はめったにいません。よく伸びているので安心しているのです。

しかし、この伸びは2年間で終わると言うことを忘れないでください。伸びだすと両親は急に安心して、永遠にこの伸びが続くと勘違いするようです。この油断にだけは注意してください。

このよく伸びる2年間は、ちょっとした栄養管理的手法や、場合によっては医療的手法で、年間8cm伸びるところを10cmに増やしてあげる、などのことが容易にできるのです。最終身長を高めてあげるための手を打ちやすいキーになる時期でもあるのです。

この2年間が終わると、その後3年かけて背の伸びは止まっていきます。

身長が止まりゆく3年間

思春期の大いなる伸びの2年が終了すると、その後3年かけて背の伸びは止まります。この3年間での合計の伸びは、7~8cmです。最初の1年が4~5cm、次の1年が2cm、その次の1年が1cmです。最初の1年の4~5cmの伸びの最中に女の子なら生理が始まります。生理が始まるとその後は3~6cmしか伸びないといわれますが、この伸びの説明から納得できると思います。背の伸びが止まりだして、あわててわが子を連れてくる両親がたくさんいますが、手遅れであることもしばしばです。

この時期は、伸びる可能性や治療のベストチョイスを模索するために採血検査とアルギニンのトライアル投与を行ないます。その結果によって、治療可能か否かの判定、治療の選択を行ないます。いくらか余分に伸ばすことはできますが、予定最終身長よりも、7cm以上伸ばすのは至難です。

この時期は、自己成長ホルモンの分泌力が低下していることがしばしばですので、成長ホルモン投与が必須になります。また、骨端線の閉鎖を遅らせる治療を併用することもあります。

わが子を見つめる心得

子育てが始まれば、身体の発育、知的能力の発育、心構えの育成など、ご両親には取り組まなければいけない課題がたくさんあります。身体の発育は、医師任せになることがほとんどでしたが、背の伸びに関してはご両親が自ら学んで、わが子をチェックする体制を築いてほしいと思います。

低身長の治療は早ければ早いほど、有効性の大きい手法を実施することができます。多少は手遅れになってからの治療もありますが、あわてないですむように、子育て中は、早めに先手を取って考えるようにしてほしいと思います。

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