【状況別:背を伸ばす方法】小学校低学年~思春期終了後

【状況別:背を伸ばす方法】小学校低学年~思春期終了後

子供がどの時期にあるかを考えて、治療方法を検討します

思春期(第二次性徴期)が始まるのは、通常は男の子で11歳6ヶ月、女の子で10歳0ヶ月です。4歳から、その年齢までは、毎年5~6cmずつ伸びるのが普通です。思春期に入ると、2年間ぐんぐんと伸びます。そして、その後3年かけて止まっていきます。思春期(第二次性徴期)が始まってから、背の伸びが止まるまでの合計5年間で、きっちりと普通に成長すれば男子は合計25cm、女子は合計22cmほど伸びます。

思春期に入る頃に、男の子は睾丸が大きくなり垂れ下がってきます。女の子はバストが膨らみ始めます。よく伸びる2年間の中盤に陰毛、腋毛が生え、体毛が濃くなってきます。男の子の声変わりは、通常は、よく伸びる2年間の終盤に起こりますが、中盤に起こることもあります。女の子の生理は、よく伸びる2年間を終えて、止まり行く3年間の最初の半年以内に始まります。

このように考えると、子供の成長のステップは、4歳から思春期が始まるまでの毎年5~6cm伸びる時期、よく伸びる2年間、止まり行く3年間、その後の止まってしまった時期に分類することができます。それぞれの時期に応じて治療の方法が異なります。

それぞれの時期に応じて、治療手法や治療目標が設定されます。

子供の背を伸ばしたいときは、その子供がどの時期にあるかを考えて、治療の方法を検討します。実際の診療現場では細かく検討して、その身体状況に応じた指導、治療を行いますが、概略的には次のようは一般論が成立します。

  • 安定伸長期~止まりゆく3年の時期はたくさん食べることが大切です。伸び率は食べる量に比例すると言っても過言ではありません。
  • 安定伸長期の時期の治療目標は、思春期の始まりまでに平均身長に追いつくことです。
  • よく伸びる2年の時期のストレスは大敵です。この時期の治療目標は、1ヶ月で1cm程度の高い伸び率を得ることです。
  • よく伸びる2年の時期は体内の伸びる力を高めてあげることが大切です。原則的に外からの成長ホルモン投与を行ってはいけません。アルギニン投与が伸び率を高める上で役立ちます。
  • 止まりゆく3年の時期の治療は、複数の治療手法を組み合わせることになるので医師の手腕の影響が出やすいのが特徴です。
  • 止まりゆく3年の時期は大豆食品の摂取を控えるのがいいです。
  • 止まりゆく3年の時期はデリケートな時期といえます。強い精神的ストレスや身体的ストレスが関与したときに、急に伸びが止まり、その後まったく伸びなくなることがしばしばです。
  • 成長ホルモンが有効なのは、止まりゆく3年と止まった時期です。よく伸びる2年の時期は有効ではありません。安定伸長期の時期は、顕著な効果を示すこともありますので、トライする価値はありますが、効果が弱いとみたらすぐに中断するのがいいです。
  • 思春期が早く始まった場合に、性腺抑制治療を行うことがありますが、最終身長を高くできるかどうかは定かではありません。
  • 止まりゆく3年の時期に伸びる期間の延長をもくろんで性腺抑制治療を行うことがあります。有効な結果を得ることがありますが、無効のこともしばしばです。ただし、女子の場合は、この時期に性腺抑制療法を行うと最終身長を5cm以上、余分に伸ばせることがしばしばです。実施する価値は十分にあります。
  • 止まった時期の治療は、3cm以上、あわよくば5cm以上伸ばすことが治療の目標になります。治療手法として、成長ホルモンの使用を検討しますが、通常の注射の投与では無効のことが多いですので、投与手法を工夫することになります。
  • 止まりゆく3年の時期の後半、あるいは止まった時期に、成長ホルモン投与だけでない新たな治療で顕著な治療効果を挙げる例が出現しています。現在、研究中です。

低身長になる前兆とその対策

幼稚園~小学校1年生で背が低い

小学4~5年生までに平均身長に追いつくことを考えてください。そのためには、上手な栄養摂取が必要です。

【手遅れの低身長にならないために|対策】

適切な栄養摂取が大切です。万遍なく食べなさい、などの教育的効果を盛り込んだ無理な食事指導ではなく、「好きなものを集中的に食べさせる」などの本人の食嗜好にあわせた食事に切り替える必要があります。この時期はタンパク質をしっかりと食べると上に伸びます。しかし、炭水化物脂質が多くなりすぎると横に広がります。最低限必要な栄養素は、骨の本体を構成するたんぱく質(アミノ酸)ですが、骨の構造を考えると、これはサーモンコラーゲンから抽出したアミノ酸(ペプチド)が最も優れています。
この時期は不足しがちなアルギニン摂取を検討してください。

小学校1年生~4年生まで背が低いまま

2~3年以内に思春期が始まります。それまでに平均身長に追いつかなければいけません。

【手遅れの低身長にならないために|対策】

たくさん食べることは絶対に重要です。栄養素的には、子供にとっての必須アミノ酸であるアルギニンがポイントです。

小学校4年生~6年生で並ぶ順番が後ろに上がり始めた

思春期が始まっています。何とか手を打たないと、将来低身長になることは間違いありません。

【手遅れの低身長にならないために|対策】

性腺抑制療法は、思ったほど効果が現れません。とにかくたくさん食べることとを考えてください。栄養成分的には、軟骨成分の摂取がキーになることがしばしばです。

ここ2年連続で7cm以上伸びたが、まだ背が低い

もう身長の伸びは緩やかになり始めます。そこそこ伸ばせるのもあと1~2年ぐらいです。

【手遅れの低身長にならないために|対策】

採血して、今後の見通しを立てます。じっくりと計画を練ります。

中学生以後でここ1年の伸びが3cm以下になった

このままではもう2~3cmぐらいしか伸ばせません。最終身長を予想してみましょう。この状態から、伸ばせるのはほんの少しです。

【手遅れの低身長にならないために|対策】

採血して、場合によっては2年計画で10cm以上伸ばす治療計画を立てます。

両親の一方の背が低い

子供の思春期兆候には十分に気を使ってください。両親の義務と言っていいでしょう。

【手遅れの低身長にならないために|対策】

思春期兆候が見られそうなら、思春期を遅らせると同時に、背を伸ばすための複合的計画をたてます。

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風本真吾医師
このホームページの著者 風本真吾医師のプロフィール
(一社)日本健康教育振興協会・「健康を守る秘書室」室長

平成元年:慶応義塾大学医学部卒業。医師免許取得
平成3年:慶応義塾大学医学部大学院入学 
平成4年4月~:29歳で、慶応病院の内科外来を担当。 
平成4年9月:四谷メディカルサロン(現「四谷メディカルクリニック」)開設。プライベートドクターシステムを始める。以後、病気でない人への診療体系(健康保険が使えない)として、マジンドールダイエットシステム、プラセンタ医療などの研究に取り組む。
平成5年~:セミナー、講演を基に、健康教育事業の規模拡大へ。 
平成7年:「一億人の新健康管理バイブル」(講談社)を執筆。 
平成11年:浅井企画に所属し、テレビ出演多数。この頃に、マジンドールダイエット医療、プラセンタ医療を完成させ、さらに、成長ホルモン医療、子供の背を伸ばす医療の研究に取り組む。また、診療現場への栄養素品(サプリメント)の導入を本格的に研究し始める。 
平成12年:「お使者さんが考えた朝だけダイエット」(三笠書房)を執筆。60万部突破のセラーへ。 
平成13年以後:多数の著作を執筆。「健康管理の学問化とその学問に基づく実践指導」「全国民の健康、人体、医療に関する知識の向上」「医療構造改革の実現」などを標榜し、病気でない人への診療システムを充実させると同時に、診療現場への栄養素品(サプリメント)の導入を推進させた。自ら運営するクリニックが日本中(大阪、名古屋、広島、福岡、沖縄など)に広まったところ、医療社会の関係筋から様々な迫害を受けたので、四谷メディカルクリニック一つの運営に集中し、現在に至る。


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